■監修者のあいさつ
　遊びは子どもの心身の成長・発達に欠かせない一番大切なものです。子供の持てるあらゆる能力を最大限に引き出してあげたいのなら日常生活のなかに全身を使った遊びを取り入れてください。
たとえば体をおもいっきり動かして遊ぶと心と体がどんな感じになるのか、息が弾んでどきどきするってどんなことなのか、という本来子どもが一番よく知っているはずの感覚を遊びを通じて学ばせてあげることはとても大切です。
子どもの成長時期にあわせた適切なエクササイズを大人が与えてあげることで、子どもの能力はさらにアップします。どうぞ子どもの能力アップに必要なタイミングを見逃さず、お子さんの能力をさらに引き出してあげましょう。
そして必ずお子さんと一緒に身体を動かして、動きのイメージがもっとスムーズに子どもの５感に吸収出来るようにチャレンジして下さい。つまりこのビデオは本の読み聴かせをする感覚で、身体を動かしていただく教材として何度も繰り返し活用していただきたいと願っています。

■子どもの運動能力低下の問題
　近年、子どもの体力低下が社会問題となっていますが、次世代を担う子ども達が心身ともに健康であることは、何よりも大切なことであり、また私たち大人の願いでもあります。体力の低下がどのように進行しているか、どんな機能が低下してきているかは様々なデータや調査からも明らかです。
本来子どもは風の子といわれるように、子どもといえば元気はつらつで日が暮れるまで外で遊び回っていたものです。ところが都市化が進むにつれて、子ども達が自由に遊べる広い場所が少なくなり、そしてテレビゲームに代表されるように何時間もじっと座ってするのが「現代っ子の遊び」になってしまいました。ではこのような問題を解決するためには、なにをすればよいのでしょうか。それは遊びの中で子ども達の身体能力を養うことです。トレーニングや教育といった取り組みとしてではなく、遊びを通じて身体能力を養うことが出来れば、きっと子ども達も大人に指示されなくても自主的に体を鍛えることに取り組んでくれるでしょう。さらに気持ちいい・楽しい感覚を伴いながら体を鍛えることが出来れば、子どもの情緒もきっと体力の向上と共にぐんぐん養えるでしょう。特に調整力の向上はタイミングが大切です。大人になってからでは間に合いません。調整力が充分に培われているということは、すなわち体を上手く操れると言うことであり、これはすべてのスポーツ能力向上の基本となります。